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他社TSでは精度が悪い理由 その1
※ 発光素子と受光素子の位置が左右(上下)に別れている他社TSではシート面
への入反射位置の違いにより測定値がばらつく【 正対以外は誤差が発生 】
プリズムの場合 正対していなくても 入射光を均等に反射する事ができるが
反射シートでは 入射角(入射と反射の位置)の違いで光量誤差が発生する
◆ 観測値は視準した点にピンポイントで光を入反射はしている訳ではない!
(↓写真のTS光軸→線上で光が入反射はしている訳ではない⇒測点とズレ発生)
▼ 入射角とは正対方向線とTS光軸方向線の成す角度(↓写真参照)
▼【 ソキアTS にて入射角別・測距で誤差の有無を確認してみた 】
※ 反射シート・入射角点検用紙は ⇒ こちら をご利用ください
TS 位置はそのままで正対測定値を正とし 反射シートを30〜45°まで回転
(入射角 45°での測定値と正対値を比較をして 誤差の有無を把握しておく)
・ソキアの仕様では 入射角
上下左右 30°以内 だが45°も一応 確認しておく
※ 距離にバラツキがある場合、光軸の左右(上下)分離構造が原因の一つ
⇒ 他社TSをおススメしない理由その1:
反射シート全面の受光を平均算出できない
⇒ 座標塾での基軸「反射シートを後方交会の既知点に」では
おススメ TSが必須
・ 鉛直角 は 90°±30° ⇒
60°〜120°以内 で観測する:近距離で要注意!
(鉛直角120°を越える近距離:
コンベックス測定値との差も把握しておく )
▼ 反射シートでも 鉛直角視準と入射角による誤差検証!(下記動画 参照)
※ プリズムでも近距離観測を実施
「知らないと間違える」動画・参照
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他社TSでは精度が悪い理由 その2 ⇒ 反射シートモードが存在する理由
シートを
プリズム定数 0の光波で観測しても誤差が発生するのは必然か?
何故なら、正対していても 空気とガラス部分の通過+測点との鉛直上のズレ
を補正して定数 0となる光の質(種類・強弱・アルゴリズム・光軸の太さ等)
と空気のみ通過の「シート専用定数 0」の光とでは根本的に質の違いがあるから
※ 特に
光源が発光ダイオードの古いTS (2002年頃まで) での使用は厳禁デス!
・ 他社TSでは正対していても測距精度の保証ができない = 仕様なしは当然か
⇒ 他社TSをおススメしない理由その2:
反射シート専用モードが無い(仕様なし)
※ 近距離ではプリズムとの距離差が無くても 50m・100mでは発生するかも・・・
● シート・プリズム・ノンプリの使い分けができる
ソキア なら大丈夫!
(トプコンではX差Y差の杭打ちでSIMA読込不可のためおススメはソキアのみ)
★ 反射シートの原則論!(おススメする理由)
1. 常に同じ基準点を使用する事を可能にしてくれる!
座標塾では後方交会により測量を開始する事を原則とします。
それは「基準点は地上に・・・」の発想を捨てる事から始まります。
資材で見えない、掘削・盛土により滅失、沈下、蹴飛ばされる?・・・
そんな地上の基準点では安定した後方交会の精度結果は得られません!
・常に視通が良好で変位の心配がない基準点の設置はできないものか?
厚さ0.4mmのマイクロプリズムターゲットシート?⇒ 反射シートが
その裏面の粘着テープ(シール)を利用して可能にしてくれます!
「伸縮はしご」の活用等により反射シートを常に視通良好で変位のない
位置に設置する事ができます。(上記アニメーション参照)
施工基準点は工事の影響を受けない位置(視通が良好で不動な点)
である事が重要で、それは常に安定した精度を供給してくれます。

● 常に同じ基準点から得た結果は歪み誤差を解消する!
※ 後方交会・実践編 こちらの関連記事 参照
2. 手ブレの心配・ご無用! 視準が容易で視準精度が安定!
座標塾では反射シート専用モード搭載のTS使用が必須です。
反射シート開発元のSOKKIA・TSの仕様では(NET05AXII除く)
反射シートの距離精度はプリズムに比べ若干(0.5mm差)劣りますが
実際に比較して観測差±1mm以内であれば支障ありません。(想定内)
何故なら、動作(手ブレ、気泡管等)による誤差の方が大きいので
精度がほんの0.5mm優れたプリズムに執着する必要はありません。
特に近距離では鉛直角 視準精度が重要で 斜距離との整合性に優れている
反射シートは十字線を視準するため、プリズムに比べ鉛直・水平角度の
視準誤差(バラツキ)が少なく、変位なしのピンポイント既知点です。
又、視通障害、高低差観測でのプリズム上下移動・正対等の煩わしさも
なく、スムーズな視準がそのまま後方交会の安定結果につながります。

● 貼付けた反射シートは不動で視準線を合わせ易い!
※ 既知点設置に欠かせない必須グッズは こちら 参照
3. TS 据付後、一人(単独)で後方交会が開始できる!
後方交会の作業開始に伴う既知点の視準が単独で素早く行えます。
基準点(既知点)を地上に設置した場合、最低2ヶ所に反射プリズム
を設置する(人)手間が必要となります。(人の移動時間も必要)
更に、資材・車両・残土等の視通障害や重機排気やCo陽炎等のゆらぎ
があり手ブレ等の動作誤差も相まって、安定した精度は望めません。
反射シートが視通良好で不動な場所へ既知点(2点)としてあれば、
その既知点と測設点周辺の視通が良い任意点にTSを据付けて、単独にて
素早く後方交会の既知点を視準し、TSの座標値を求める事ができます。
その後、補助(手元)者の移動時間なしで測設作業が開始できます。

● 補助(手元)者は待機 ⇒ 任意点から即座に墨出し開始!

● 2m以上の型枠に囲まれてもその中から開始できる!
4. チルト修正から後視点・点検(取付角度の修正)も単独で!
振動、軟弱地盤、夏場の高温等の過酷な現場環境では作業時間中
TSの水平を維持する事は困難です。マメな気泡管の点検が大切です。
TSのチルト点検・修正を怠っては精度を継続する事は出来ません!
墨出し完了後の後視点チェックでは「後の祭り」手遅れです!×××
●座標塾では常時・チルト精度 10″未満の確保が必須です。
視通良好な反射シートの既知点であれば定期的(マメ)に気泡(水平)
を整え後視点(取付角度)の点検・修正が単独で可能 ⇒ 即再開OK!
● 気泡の精度維持 ⇒ マメなチルト点検・修正が随時・単独で可能!
★ 関連記事は【 後方交会・実践編 】の こちら参照
5. プリズムが置けない所でもピタリと添えて観測できる!
反射シートは0.4mm厚で、直接視準ができる箇所のピンポイント
(真上・真横・真後ろ)に置くことさえ出来れば観測可能デス!
シートはプリズムでもノンプリでも無理な点を測定する事が可能で
しかも、水平角視準と手ブレの誤差なく安定した値が取得できます。


● フェンス付ブロック天端での隙間でも横に寝かして測定できる!
6. 反射ピンポールの存在が後押し! これで最強のコンビへ!
平成16年頃より反射シート専用モードが搭載されたTSが現れました。
常々プリズムの取扱い(上下移動、正対等)には不便さを抱いており
カタログでたまたま目にした反射ピンポールを試しに購入しました。
この反射ピンポールが反射シートの便利さを気付かせてくれました。
個人的には最高のヒット商品です。(不満解消+手軽で精度UP!)
反射シートを敬遠する理由として「精度が悪い」の先入観を持つ人へ!
★ プリズムとの誤差が1mm以内であれば支障ありません!
(シートモードが必須、ノンプリズムでの使用は間違いの元デス!)
「反射シート+ 液晶入力の後方交会」と「反射ピンポール」は
墨出し、アンカーフレームの調整誘導、杭芯出来形測定等の作業を
精度よく迅速に進めさせてくれる最強のコンビ(ツール)です!

● 鉄筋、足場等の隙間10mm画があれば観測できる!
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● 最下点なら視準は秒殺、手ブレの影響もほぼ無し!
■ プリズムとノンプリモードのTSしか使用した事がない無関心な人へ!
嫌々、そもそも反射シートの存在自体を知らない多数の方へ!
「反射シートの存在とそのメリット」に納得できたら、
★ おススメTSで反射シートの活用に挑戦デス!
ただし、反射シートにも弱点(注意点)があります。
● 使用(仕様)上の注意が認識できたら活用しよう!
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1.【 反射シートの活用術 】 ● 先ずはシートの弱点を認識しておこう! |
▼ 反射シートの弱点(注意点)とその対策は?
弱点1. 精度が保証できるのはシートモード搭載のTSのみ!
発光素子と受光素子の位置が左右(上下)に別れているTSではシート
面が100%正対していない限り正確な距離測定は望めません!更に反射
シートモードが存在する訳は光のアルゴリズム設定の違いにあるとの事
現在、プリズム・ノンプリモードでも測距できるTSはありますが、シー
ト仕様精度がありません。(特にプリズムモードでの観測は厳禁デス)
光源(発光ダイオード等:製造年平成14年頃まで)次第ではエラーに?
※ シート専用の切替がないTSでは測距できても精度保証はありません!
その対策は
・必ず「反射シートモード」搭載・シート測距仕様ありのTSを使用する
● シート・プリズム・ノンプリの使い分けができるソキア なら大丈夫!
(トプコンではX差Y差の杭打ちでSIMA読込不可のためソキアのみ)
弱点2. 反射光の 入射角は上下・左右 ±30°以内 である事!
反射シートはほぼ正面からの観測で高い精度を保証しますが、貼付け
反射面は不動のため、上下左右に「正対」の縛りが強い事になります。
特に2m程度の近距離、高低差のある測定には注意が必要となります。
施工基準点は着工時のみに貼付けて、竣工までの活用が理想のため
「正対」+ 視通良好で不動である条件を満足する選定が必須です。
★ おススメTSでは±30°以内であればシート全面からの反射光が均一
に受光される仕組のため測距精度が保証されます。(精度仕様あり)
※ 逆にシートモードがないTSの場合、測距値にバラツキ誤差が発生!
その対策は(入射角が30°を超える場合)
・後方交会は既知点3点以上であれば、測角のみでも計算できる。
「2点測距・測角」「1点測距+2点測角のみ」「3点測角のみ」でもOK
・施工範囲内で施工基準点を長辺側2点、短辺側1点の3点設置すれば
「正対」条件は上記理由によりほぼ解消できます。更に
左右:現場形状等により正対できる必要最小点数に留める!(重要)
上下:1Fまでで正対不可は稀ですが、その際は補助基準点を設置!
・貼付けでなく、方向転換できる手作りアングル・シートで正対確保!
● アングル・シートが置ける既知点の選定( +マグネットで固定)
★ TS 任意点の選定要領は 【 後方交会・実践編 】参照
弱点3.地上にしか基準点を設置できない場合、活用できない!
周辺にしっかりした構造物等が無い場合、反射シートが貼れません!
工事現場の周辺が山林、広大な敷地などの場合は仕方ありません!
その対策は
・ポール用三脚、1素子プリズム+三脚を活用して不動の後視点設置!

● 視通が良ければ反射ピンポール+ポール三脚にて最下点を視準する!

● 視通が高い場合、手ブレ・致心誤差防止に三脚ターゲットで対策!
(※ 100m以上、陽炎がある時など、反射シートの視準は困難で有効)

● アダプター、ブラケットがあればミニプリズムも活用できる!
■ 純正の回転式、接地用の用途別専用ターゲットシートはこちら
■ 資材・仮説計画等を考慮して変位のない長期視準可能な選定を!
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