◆ 課題の攻略が実務への近道 ⇒ 合せ技にトライ
課題は「その場で 既設構造物壁面から建物配置」
入門編 そして 座標測定や後方交会などのTS 内蔵プログラムの操作手順は
何となく理解できても その活用方法がピンとこない方へ
測量プログラムの
根っ子は同じ つまり TSと測点等は
同じ座標軸で存在して
いて 測角・計算の
基軸が方向角として共有 されているので プログラム計算
の選択は「測るか・位置出しか」の目的と「測点か・TSの座標か」の求める
対象の違いによって 使い分けられるだけ・・・
計算根拠 (根っ子) は同じ
根拠の 観測×座標値で 座標計算 or 後方交会・杭打ち・点間距離等の逆計算
を目的と対象により選択 (組合せ)して プログラムを有効に活用しよう!
そこで その座標軸を設定する手段と手順を考える
「課題」の投げかけ・・・
課題は 点ではなく 既設構造物の壁面「線」を基準とする 建物座標軸の設定
※ ただし 手段と手順は「後方交会からの 逆打ちの準備完了まで」に限定
その場で 配置条件となる寸法を現地に導き出すために 座標付けをするには?
的確なプログラムの選択とその利用順序は?
考えてみる事で理解を深める!
▲「課題」の詳細は こちらの 説明動画(3:19) で確認
▲ 建物配置条件は 画像クリック 拡大して確認!
ちなみに「座標軸の設定完了」は TS・既知点の座標値が確定する事
その場で 建物位置や各通り芯、杭芯等の 杭打ちができる準備が整った状態
そして 座標測定による
施工基準点の設置・観測のタイミング的にもベスト
・初級編の活用がピンとこない人は 下記ヒントで攻略法を考えてみよう!
ヒントは 対辺測定と後方交会で 先ずはY軸(X=0)を設定し X軸(Y=0)は
とりあえず仮設定 次に 座標測定にて仮X軸と配置寸法との不一致量確認
◆ 壁面の場合「既知点 仮設定」による後方交会から始める
1. A棟工場とY軸が平行となるよう 腰壁の面上に後方交会の既知点を設置
2. その既知点間距離を 対辺測定にて確定し Y座標値の仮設定に当てはめる
▲ 建物配置基準が既設構造物面 (線) の場合 境界点と違い 座標がないので
設置した後方交会 既知点の座標付けには その点間距離が必要となる
3. 既知点 仮座標により 後方交会を実施して TS設置位置の仮座標を求める
4. 腰壁をノンプリズムにて座標測定し ±15mm以内ならば X=0の位置OK
※ 余程 凸凹な腰壁でない限り 許容値をオーバーする事はないが・・・
配置図に 許容表示は珍しく
基準が壁面の場合 配置寸法 ±0に近づける
事が通常の考えで その微調整の方法が「腕の見せ所」となる
この許容表示撤廃・配置寸法だけの場合 これまでの手順を巻き戻して
仮・後方交会は 先ず Y軸を壁面と「平行にする」だけの仮・設定として
実施され TSと既知点の座標は 暫定値からの 再スタートとなる
次に 座標測定・点検値に基づき 配置寸法にアジャストするよう 調整する
調整は 軸の上下左右の平行移動で 回転は伴わない事を前提とするが・・
経験上 後方交会 杭打ち等では 安易な座標操作で 真逆の結果や更新漏れ等
初心者マークの人にとっては 座標軸と位置出し点とのズレを調節する事は
数字のパズルでは混乱しがち 先ずは的確な調整をするための思考を提案!
◆ 思考の肝「何をどうすれば 何がどう変わる?」
「移動・変更 しては ダメな要因」を把握
⇒ 要点は調整すべき座標軸と配置基準との位置関係が変化すると 既知点と
後方交会で得られたTSの座標が どのように連動していくのか・・・
▲ 配置寸法±0に近づける思考 (発想) 動画(4:01)
◆ 基準が壁面の場合 配置寸法±0に 近づける発想とは?
・対面腰壁をノンプリ座標測定で点検した結果 X座標の平均値が
例えば -25.940mで 条件より5mm 長かったとします
±15mm以内ならば このまま X=0のY軸位置 設定完了 つまり
TSと基1+基2の X座標を確定すれば A通りの位置が確定する
▲ ここまでを【 先ずは A通りの設定 その@ 動画(5:43) 】にて ▲
ただし 許容表示がない場合 配置寸法±0に近づけなければならない
・調整は X座標の平均値 -25.940mを 5mm 縮めて-25.935mにするだ
けだから 全てのX座標に+5mm の措置で 実は簡単に更新完了!
ただし 「座標測定と杭打ちの座標操作」では 真逆の法則があり 杭打
ちでは ズラしたい方向だけに固執して ±計算をしてしまうと 倍間違
えてしまう・・・ 座標を操作する場合 数字の操作 (±計算)ではなく
思考 (発想)を切り換える事で 勘違いを防止できる
「何をどうすれば 何がどう変わるのか・・・」で
「座標を増減すると 調整点はどう移動するのか?」ではなく
「座標軸を動かせば」 調整点までの 「距離が伸縮する」発想へ
同時に 配置条件と後方交会の絡みで いじってはいけない要因と
調整した事によって変わる要因を 漏れなく把握しておく必用あり
・いじってはいけない要因(移動・変更 不可)
TSの設置位置はそのまま 後方交会の再測もしない
後方交会に関連した既知点2点とTSの設置位置 そしてA棟腰壁も
連結して 地上に固定されているので 移動してはけない位置要因
よって 仮・後方交会実施後の「腰壁点検」の 観測値も変更不可
・調整するための要因
着目点は 後方交会の既知点が とりあえず仮座標に設定されている事
その手段は 一方向軸を配置基準線と平行に設定する事が 第一目的で
仮座標による後方交会の座標軸は 移動させる事が前提の位置付け
ただし 当初はY座標だけの仮設定で B棟絡みで横方向に動かすため
今回 更に縦方向 ±15mmの許容を ±0へ近づける事にしたので
既知点のX座標も仮扱いにして 座標軸を縦方向にも上下できる様に
要するに 設定座標軸は 既知点を結ぶ線と平行である限り その場で
既知点座標を加減するだけで 上下左右に移動できる(軸回転は不可)
座標軸設定とは C棟のA通りと1通りを 現地で糸張りするイメージ
調整は その糸を 条件寸法と一致する位置まで平行に移動させる事
・調整に伴い連動する要因は 逆発想で把握して 漏れなく更新する
A棟絡みは 既知点のX座標を変更すればいいのだが・・・
既知点座標を変更すると 座標軸は移動するが 後方交会の再測なしで
座標軸と他に何がどう変わる? ピンとこないし ややこしい・・・
そこで 逆発想に切り替えると 何がどう変わるのか 理解し易い
座標軸がシフトすると 設置既知点との距離が伸縮する発想に切替える
▲ 画像クリックで拡大できます!
◆「逆発想で把握して 漏れなく更新する」 具体的に言うと
A通りとなるY軸をマイナス方向へ 5mmシフトすれば A棟腰壁まで
の平均垂線長は 5mm狭くなり 25.940から25.935となり 調整完了
それに伴い 既知点 基1と基2のXも 狭くなり-25.935から-25.930へ
逆に TSのXは 5mm広がるので 2.993から2.998へ更新する
結果としては 不動点 全ての X座標値 +5mm すればいいだけだが
数字だけの思考段階では 更新・不動点・プラスマイナス混在で混乱?
仮設定からの調整思考は とりあえず視覚(絵)的な変化を実感してから
⇒ この発想で思考できれば「X軸 横方向の調整」も迷わずに更新できる
★ TS器械点座標の更新後 既知点+腰壁を座標測定にて点検すれば納得
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▼ Y軸の上下位置が 確定できたら 次は 仮 X軸の左右位置を 確定する
5. 基3を座標測定して 仮 X軸(Y=0)が配置寸法と一致するシフト量を確認
6. 縦方向と同様で 仮 X軸を座標測定で確認したズレの分だけ シフトして
既知点・TSのY座標値に加減すれば 仮 X軸 (Y=0)が 1通りとして確定
▼ 仮X軸を配置寸法にアジャスト! 動画【 準備中 】
ちなみに「座標軸の設定完了」は TS・既知点の座標値が確定する事
その場で 建物位置や各通り芯、杭芯等の 杭打ちができる準備が整った状態
そこまでは あと一歩! X軸を1通りの位置へアジャストすれば 設定完了
◆ Y軸同様に 次は 1通りとなるX軸の横方向の調整・更新
▲ 仮X軸のシフト量は? 画像クリック 拡大して逆算してみよう!
・基3 座標測定の仮Y座標が配置寸法となるよう 仮X軸をシフトする
そのシフト量は?・・・ 下記 答え画像の前に 逆算してみよう
〇● 上記画像の仮X軸シフト量 【 答え合わせは こちら 】 ●〇
ただし 画像以外の関連する点も 漏れなく更新する! (お忘れなく)
◆ 思考は必ず「図柄で納得して 漏れなく更新する」 画像例で説明
例えば B棟角 基3の座標測定値が X=3.740 (調整後) , Y=-4.511で
あった場合 1通りとなるX軸を プラス方向へ 3.896mシフトすれば
配置垂線長の 8.407mの離れ寸法が確保でき Y=-8.407に更新できる
それに伴い TSのYは 逆に狭くなり 16.477-3.896=12.581 となる
あとは 漏れなく 後方交会に関連した既知点 基1と基2のYも更新する
基1のYは 0-3.896=-3.896 , 基2のYも 31.563-3.896=27.667へ
結果としては 不動点 全ての Y座標値 -3.896m すればいいだけだが
先ずは「図柄で納得して その後 漏れなく更新計算する」クセを!
仮X軸が動くから 垂線長が伸縮し 座標値が変わる思考で計算点検を
・B棟と1通りとの離れ量が 8.407以上の条件は 腰壁同様にノンプリで
座標測定し 不足であれば 更に X軸を不足分プラス方向へシフトする
★ TS器械点座標の更新後 全ての既知点を座標測定にて点検すれば安心
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「座標軸の設定完了」は
施工基準点の設置・観測のタイミング的にもベスト
● 【 初級編 】の合せ技と課題・まとめ
・測量プログラムの計算根拠は 座標と方向角が共通要因
・基線と座標軸の平行設定は 基線上既知点の対辺測定〜
・後方交会で仮設定 ⇒ 座標測定で確認/更新 二段階方式
・その場の調整は方向角を変えない軸の上下左右移動のみ
・調整は 座標軸を移動させる思考で その伸縮距離で納得
⇒ 計算は 座標測定は同方向 杭打ちは逆方向の数値を加算
・座標軸の調整後 必ず更新結果の整合を点検測量で確認
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