※【設定】⇒【観測条件】⇒【傾斜角補正】⇒【あり (H,V) 】を確認しておく
【傾斜角補正】は 自動2軸水準補正機構で 整準した鉛直軸の前後左右の倒れを
検出し 自動的に真の鉛直に近づけて 鉛直角と水平角を補正する機能である
これは
自動レベルの気泡が 円の中にさえあれば (中心からズレていても・・・)
自動 2軸水準補正機構で 十字線 (読取り線) の傾きを水平に合せる機能と同じ
「補正あり」の電子気泡管は【正反】傾斜角 平均値が ±10″以内 に補正される
正反傾斜角誤差は 電子気泡管のゼロ点位置が 前後左右(XY)にズレる事で発生し
やがて 補正限界を越え【正反】傾斜角の平均値が ±10″以内に納まらなくなる
このズレ量の
調整を必要とするか 否かを判断するのが XYオフセット値であり
この値の変化を見逃さないために 整準時に【正反】の傾斜角点検を習慣化する
XYオフセット値は 正反の XY各傾斜角 合計の1/2 で算出 (XY正反の平均値)
XとYのどちらか一方でも 平均値が ±10″を超えると 補正量・限界のお知らせ
※ 概ね 正が+なら 反が−となるので 迷わないよう
合計±20″で判断するもヨシ
合計±20″を越えると 悪化が進行しないよう
補正量を改める調整 が必要となる
点検時の [補正傾斜角の設定を改める行為] が
[チルトオフセット調整] となる

※ ↑ 画像クリックで拡大できる
「補正あり」なら ±1分以内の整準でもOKだが 実務では ±10″未満で整準する
原則 全方向 10″未満の表示であれば 容易にチルトの校正状態が認識できる
そして 外的要因で傾く事もあるので 一桁表示ならば 異常に敏感でいられる
※ 夏場のアスファルト、軟弱地盤、木の根元等 不安定な場所での点検は不向き
振動や衝撃、直射日光、製準台や三脚の不具合等が 原因でない事にも留意する
◆ 全方向 ±10″未満の整準を原則とし 作業中の水準変化も 察知する
▼ チルト【正反】ズレても 良い限界は「電子気泡管の補正点検」で
・【正】傾斜角の XYが 0″で整準できたとしても 【反】次第では 調整が必要

※ ↑ 画像クリックで拡大できる
〇:【正反】傾斜角 合計が±20″以内 ⇒ 補正角設定は許容範囲内 調整は不要
△:【正】が±10″未満の整準でも【反】で±20″前後が顕著であれば 調整する
×:【正反】合計が±20″を越えている ⇒ 調整する ⇒ [チルトオフセット] 実施
▼ チルトオフセット調整の手順・・・「補正点検から調整の是非」
1.「設定メニューの器械定数」or「チルト液晶」から チルトオフセット選択
2.【正】±1分以内の整準 ⇒【正】のXY 傾斜角データ取得し [AOK]
3. 180°回転 ⇒【正反】の傾斜角合計が ±20″以内であれば [ESC] ⇒ 調整不要
⇒【正反】の傾斜角合計が ±20″を越えた場合 [BOK] ⇒ C画面
4. 現在設定されている傾斜補正量と更新する新傾斜補正量の差を確認する
5. Cの差がXY両方1分以内であれば [Dはい] ⇒ 現在値が新値へ更新される
Cの差が一方でも1分を越えると [Dいいえ] ⇒ 調整が終了 ⇒ 修理に出す
※ ↑画像のTSは 常に点検調整を手掛けているので 現在値との差は数秒 ⇒ [ESC]
オフセット値合計±20″を越えた場合 現在値と新値との差は概ね 数十秒はある
6. [Dはい] 新補正量の適正を点検 ⇒ 正反傾斜角 合計±20″以内なら 調整完了
⇒ 合計±20″を 繰返し越える場合は 修理へ
「補正あり」の電子気泡管は【正反】傾斜角 平均値が ±10″以内 に補正される
補正限界 ⇒ チルトオフセット調整で補正傾斜角の設定を キャリブレーション
◆ チルトのズレは 修理に出さなくても 概ねその場で 調整できる!
実は この傾斜角補正と後述
4.コリメーション補正の 調整が適正であれば
半対回 (片面) の測角値が 対回観測値に 近づくよう補正される
先ずは 整準毎の正反チルトチェックを怠らない (誤差の第一原因を潰しておく)
測角精度は整準鉛直軸の倒れに影響を受けるので
傾斜角補正の適正が第一条件
電子気泡管のゼロ点位置 X方向と Y方向 (2軸) が ズレると測角精度が落ちる
ゼロ点位置の前後X は鉛直角に 左右Y は水平角の測角精度に影響をおよぼすが
【傾斜角補正】が適正に機能すれば 自動的に鉛直角と水平角を補正してくれる
・半対回の測角精度には
マメな「チルト点検と測角の簡易点検」が欠かせない
■ 【正反】チルト補正点検が OKなら ⇒ 測角の簡易点検を実施する