建築工事測量【 座標塾 】初級編・Z差(高さ) の測設



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 ● 回転レーザーレベルより早く 高低差も苦にならず 計画高との差が数値で分かる

 
 
 06-3 Z差 (高さ) の測設
 
 
1. 器械点の高さ設定 ▽IH 算出手段を理解する
 
2. 手段@は 間接水準測量の定番だが 建築では不要
 
3. 手段Aは 任意点からBMとの高低差を観測し算出
 
4. 任意点で 三次元なら 後方交会の (X,Y,Z) 設定
 
5. 高さの測設は 計画高を入力 ⇒ 測定で Z差が表示
 
6. ノンプリと反射スタッフを有効活用しよう
 




▼ 以下で紹介している手順は ソキアSX 標準搭載のプログラムがモデル
 
 (残念ながら SX は既に生産終了となっていますが 理由は こちら
 
 
■ TS Z値測定の器械高 (IH) 設定と測設手順

1. 器械点の高さ設定 ▽IH 算出手段を理解する
 
IHと器械高と視準高の寸法説明
 
※ IH (instrument height) は 機械高マークのZ値
 
  IH設定はと器械点設定から
 
    ◆ 高さの測設とは 主に施工で求める計画高と観測値とのZ差を求める測定
 
    ・ Z値の観測を開始するためには 先ず 高さの基準点を選定し TS搭載 標準
 
      プログラムの「座標測定 or 杭打ち」の 器械点設定にて IHを設定する
 
      三次元になると「視準高」が前視に連動してくるが IH設定では関係なし
 
     ※ 視準高は 前視の計算シフト量で その都度 (観測前後で) 変更できる
 
       (前視とは 未知の点を測る視準 後視とは すでに分っている点の視準)
 
    ・ Z値測定のみなら IHの設定だけでいいので (X,Y) は無視して IHの設定
 
      完了「OK」⇒「後視設定」もスルーして「座標測定や座標設定」へ進む
 
IHと器械高と視準高の寸法説明
 
     ■ IH の算出手段は「器械点 Z」と「器械高」の入力だけ?
 
    ・ 取説では 器械高は TS設置点からの寸法と図説 (通常コンベックス計測)
 
     「器械高はコンベックス計測値の手段 @ のみ」と思っている人へ・・・
 
      選定した高さ基準点の「場所」に TS が設置できなくても 器械高の
 
     「測定方法」が変わるだけで 実は IH の算出式は変らない ⇒ 手段 A
 
     「器械高」表示に惑わされず「高さ基準Zからの高低差」と解釈すれば
 
     「高さ与点」の選択肢も増え「任意点から 高さを測る」発想も生まれる
 
     ◆「器械高は コンベックスで測る寸法」の固定概念を捨てて
 
       IH は「高さの基準値 Z」+「Z値からの高低差」と解釈
 
    ※ 算出手段 @は座標測定の基本形 手段 Aは 取説にはないが 勝手がいい
 
      更に「任意点とXYZ 三次元」がお望みなら「後方交会の一手」もある
 
 
2. 手段 @は 間接水準測量の定番だが 建築では不要
 
IHと器械高と視準高の寸法説明 IHと器械高と視準高の寸法説明
 
Z + 器械高 ⇒ ▼IH算出手段@
 
    ◆ TS設置点の高さZ値を「器械点 Z」へ入力し そのZ値から機械高マーク
 
      までの高低差を「器械高」へ入力 ⇒「OK」で IHのみの 器械点設定完了
 
      器械高はコンベックスで測定する (土工であればmm単位切捨てでもOK)
 
    ※ 視準高は IH設定では無関係 前視で その都度 (観測前後で) 変更できる
 
    ・ 間接水準とは TS にて高さを測定する事で mmまでの精度は望めない
 
      測量設計コンサルでは 平面独立標高・地形測量や断面測量等で実施し
 
      土木工事では 高低差のある のり面や造成工事の切盛り丁張に不可欠
 
      オペさん一人の掘削床付けなど ノンプリを活用すればワンマンでも可能
 
      ちなみに レベルと標尺にて高低差を観測するのが 直接水準測量デス
 
      建築工事で mm の水準精度を要する場合は やはり直接水準測量で行う
 
    ・ 間接水準測量は主に 土工事での活用となるが 高さだけなら (X,Y) は
 
      関係ないので レベル同様に 任意点から始めたい ⇒ 手段 @は不要
 
      そこで 任意点で 素早くIH設定の準備が整えられる手段が必要となる
 
     「器械高」は「高低差」の解釈で「与点の選択肢」を増やす ⇒ 手段 A
 
 
3. 手段 Aは 任意点からBMとの高低差を観測し算出
 
BM=1FL+1000
 
     ※ BM (Bench Mark) は 高さの基準 (水準) 点
 
       通常 1FL (1階フロアー面) を±0.000 柱や壁に+1.000が設置される
 
反射シートを使用すればBMとの高低差が観測できる
 
   ▲ FL+1.0m に 反射シートを貼付ければ 任意点のTS でも IHは設定可能
 
    (反射シートを使う発想が無ければ TSで観測する発想も浮かばない)
 
 
Z -(△h) ⇒ ▼IH算出手段A液晶解説
 
Z -(△h) ⇒ ▼IH算出手段Aイメージ図
 
    ◆ BMと目標エリアの視通が良好な場所で TSからBMまでの高低差を観測
 
      その高低差を ± 逆 (BMからTSまでの高低差) にして「器械高」として
 
      入力
すれば 手段@と同様に BMの高さ Z値に累積され IHは算出される
 
  ▼IH算出手段A入力例
 
  上記画像の場合 ▽IH = (1.000+ 視準高 0) - (+0.363) = 0.637
 
    ★「器械高」には「高さ基準Z値からの高低差」を入力する
 
      ⇒ ただし 必ず 高さの既知点 点検で IH設定の整合性 を確認
 
    ※ 反射シートで高低差を測定する場合 上下左右の入射角には 要注意
 
      ノンプリでも高低差は 観測できるが 入射角や特に視通障害物との接触
 
      誤差の危険性を考えれば BMの後視は 原則 反射シートモードで観測する
 
      前視で障害物がなく 観測対象が土工箇所であれば ノンプリ観測でもOK
 
      (前視とは 未知の点を測る視準 後視とは すでに分っている点の視準)
 
    ・ 任意点からBM 観測のIH 設定は 回転レーザーレベルの準備ほど 時間は
 
      必用ないので 高低差がある場合は特に TS からの高さ出しがおススメ!
 
      更に 柱や壁のBMに縛られず 土木式の「地上の水準点」も設置 活用しよう
 
 
● 地上の水準点 Z値端数でも +視準高と高低差で算出
 
 BM=1FL+1000 BM=1FL+1000 BM=1FL+1000
 
   ▲ 地上の水準点 Z値にプラス100mm単位の視準高で 高低差を測り IH算出
 
   ※ 高低差の 反射プリズム観測では「高さの精度が不安定になる理由がある」
 
     逆の理由で 反射ピンポールとスタッフの場合 視準高と高さの精度は安定
 
スタッフには気泡を使用しよう
 
▲「鉛直は必須」スタッフにも 必ず気泡管を添える
 
    ・ 建築工事では有り得ない地上の水準点や端数のBM・・ ・ 恐れる事はない
 
      BMの高さZ値に視準高を加え TSで観測した高低差を± 逆 で累積するだけ
 
      BMと観測値が端数でも 100mm単位の視準高であれば 暗算で入力できる
 
     「高さの基準Z値 + 視準高」と「高低差」を入力すれば IHは算出できる
 
     ▽IH = (BMのZ値 + 視準高) - (TSから視準点までの高低差)
 
      ⇒ ただし 必ず 高さの既知点 点検で IH設定の整合性 を確認
 
      ※ 点検時の視準高 入力更新や勘違いに要注意! (ここでよく間違える)
 
    ・ 柱や壁がなくても 沈下の恐れが無い所で 期間限定なら 土木式「スタッフ
 
      による地上のBM」がどこでも設置できる (BM用に単管を打込む必用なし)
 
      コンベックスを気泡管付きスタッフに持ち替えれば 選択肢は広がる
 
      土木式 水準測量の技術を学ばない手はないが 若い監督さんに スタッフを
 
      勧めると「こんな気持ち悪いものは使えない 何でmmまで読める?」と
 
      ・・・ 土木工事をナメてはいけない 1/1000勾配の側溝もスタッフで測量
 
      コンベックスでは出来ないひな壇の建物でも FLの設置ができるようになる
 
 
4. 任意点で 三次元なら 後方交会の (X,Y,Z) 設定
 
器械点設定にて器械高を入力
 
   ▲ 器械点Z値も求めるので 標準プログラムでは 先に器械点設定の器械高を入力
 
     (この場合の器械高は 手段@ のTS設置点までのコンベックス測定値)
 
※ ↓ 4 画像すべてクリックで拡大できる
 
  三次元・後方交会・既知点Z値があり
 
  ▲ 既知点にZ値があれば 三次元・後方交会は可能! 先ずは既知点登録
 
  三次元・後方交会・視準高はい・いいえ
 
  ▲ 視準高は 既知点の観測毎(後)に 最終変更可能 ⇒「計算」で結果表示
 
    ・三次元の後方交会は 意外と簡単にできる 「標準プログラムの後方交会」で
 
     既知点を登録し 順番に観測するだけ ⇒ 「計算」で結果発表 (↓画像参照)
 
     任意点のZ値は 既知点Z値・観測高低差の平均値と器械高で逆算される
 
     器械高は器械点設定で入力している値が連動して 計算要素となっている
 
    ・高さ測定で よく間違えるのは 視準高の入力・・・ ヒューマンエラー
 
     特に多いのが 変更した場合の未修正 だから ファイナルアンサーがある
 
     既知点観測以外でも Z値は視準高が絡むので その都度 「入力呼称」で防止
 
後方交会結果例4点
 
▲ 【 結果・実例 】 ↑ ↓ 4 画像すべてクリックで拡大できる
 
  ▼ 任意点 (X,Y,Z) の設定できたら 通り芯と高さの位置出しが 同時にできる
 
  三次元の初心者用の現場前後例
 
   ・座標測定 初心者の人には 比較的時間と精度に余裕のある着工時が おススメ
 
    基礎工事等で 「X差Y差+Z差の杭打ち」機能を役立てる 絶好のチャンス!
 
   ※ 基礎土工事までなら 許容範囲も広いので 角度精度 5″のレンタル器でトライ
 
 
5. 高さの測設は 計画高を入力 ⇒ 測定で Z差が表示
 
    ・IH設定が整ったら 高さの 位置出し (測設) デス!
 
     高さだけなら「後視設定」はスルーして「杭打ち」機能の [座標設定] へ
 
    ※ ↓ 3 画像すべてクリックで拡大できる
 
    計画高の入力は器械点設定から
 
    ▲ 杭打ち・座標登録の [追加] ⇒ [目標点・座標入力] で計画高を [座標Z] へ
 
    計画高とのZ差と上下方向が表示される
 
    ▲ あとは「X Y Z」モードで 目標箇所を (土工ならノンプリで) 測定する
 
      すると 計画高との Z差を「数値と上下方向」で表示してくれる
 
    I視準高の変更手順
 
    ▲ 視通障害等で視準高を変更した場合は その都度 更新する事を忘れない様に
 
 
6. ノンプリと反射スタッフを有効活用しよう
 
測量系座標の方向角
 
三次元座標測定とノンプリズムが重宝・ひな壇でも大丈夫
 
▲ 土木工事では 三次元座標測定とノンプリズムが重宝する
 
通り芯の看板位置出しにトライしてみよう
 
★ 普通のスタッフの5倍前後する高価品だが 役に立つ
 
※ 反射スタッフはとりあえず 1本あれば何かと重宝する
 
 
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